「メモの魔力」は自分をふりかえる機会にもなる良書

非常に面白く示唆に富んでいました。
内容的には、「メモ術」ではなく、メモることを手段とした「抽象化思考」というイメージで、奥深いものでした。

と、書くと難しく感じてしまうかもしれませんが、大丈夫です!
本書では、実際の著者のメモ(ノート)を用いて具体例なども示してくれていますし、解説がとても分かりやすく書かれています。

さて、本記事では、メモや思考法に関する「テクニック部分」にはあまり触れず、メモや思考する上で、最も大切な「なんのためにそれをするのか」という部分について触れたいと思います。

テクニック部分について知りたい方は、ぜひ買って読んでみてくださいね。

「ファクト→抽象化→転化」という最強のフレームワーク

普段の業務や生活でインプットしたこと(ファクト)に対し、その「特徴」と「背景」を問うことで、「この種類のあらゆるものは、○○ということが当てはまるな」と考える(抽象化する)します。抽象化した要素(気づき、法則、特徴など)を、何か別の具体的なものに当てはめてみます。

このフレームワークを身に付けることで深い思考や新しいアイデア出しができるようになります。いわゆるアナロジー思考です。

本書の中でも触れられていますが、このフレームワークの肝は、自分にとっての「課題や夢、志向性」という軸を常に持っておくということです。解くべき具体的な課題がなければ、それは単なるゲームになってしまいます。

たしかに、「いま自分が向き合う課題」といった自分の軸がなければ、フレームワークの効果を大きくは得られない、というのはその通りだと感じます。日常の経験・気づきからの「抽象化→転用」は、全て自分の軸に向かっていくことでさらに太くなるのではないかと思いました。

本書では「幸福のコンパス」という表現が出てきますが、僕が思い描いた「自分の軸」がそれに近く、とても上手い表現だと思いました。

幸福の源とも言える「幸福のコンパス」

では、自分が、直近、または近い将来、はたまた一生をかけて目指すべき人生の軸とも言える「幸福のコンパス」は、どのように見つければよいのでしょう?

本書の中では、自己分析ノートを作成し、徹底的に自分を知ることを勧めています。

作者は、もともと自己分析の鬼で(もはやその次元を超えている気もするけど)、就職活動で「好きな色は何ですか?」と聞かれた時も、明確に、好きな色とその理由を答えられたとか。

そんな作者が長年蓄積した「自己分析1000問」が、本書には付録として掲載されています。すべて答えるのは相当キツいと思います。かなりタフな内容ですが、それらに答え、自分のことを深く知ることができ、人生における「幸福のコンパス」を手に入れることができるのではないでしょうか。

幸運にも「幸福のコンパス」を見つけ、人生における夢を認知できたなら素敵なことだと思いました。

夢を夢のままにしておくのは、本当にもったいない

僕自身が「幸福のコンパス」を見つけ、夢を認知できたとして、実際に具体的な行動に移すのは、夢を探し当てるのと同じくらい難しいなぁ…と思います。

しかし、本書を読み、そもそも夢を持たない(認知していない)ことも、夢を妄想で終わらせるのも本当にもったいないことだと感じました。

圧倒的な行動力で夢を実現するすごい人たちは、「死生観」というものを常に意識しているらしいのです。つまり、もし明日死んでも「後悔がないか」を毎日考えています。常に「終わり」を考えていて、夢に対し時間的な制約を課しているということらしいです。

夢は自分から近づいてはこないので、毎日、なるはやで夢に向かって後悔なく生きていきたいです。

まとめ

  • 「ファクト→抽象化→転化」という最強のフレームワークで、中心には自分の軸を置く
  • 自分の軸(幸福のコンパス)や夢を見つけるために自己分析をとことんやる
  • 夢の実現性は、時間的な制約を課すことでグッと高くなる

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