「シンプルさ」
どんな仕事も、原理原則はこの言葉に尽きるのではないでしょうか。
様々な考え方を知り、シンプルな表現方法を身に付けていきましょー。
KISSの原則
これは、 自分の主張が、相手に、正しく、速く、伝わるように心がけるという考え方です。
仕事によらず、様々なアウトプットで必要となる考え方ですよね。
「シンプルさ」は、究極の洗練
これは、レオナルド・ダヴィンチの有名な言葉です。洗練することで「シンプルさ」を得られるという主張です。「洗練」とは、こちらから引用すると次のように解釈できます。
繰り返し、熱して、叩いて、練り上げて、鍛えて、無駄を洗い、削ぎ落とし複数の視点で、違う方向から眺めること
とても重要な考え方だと思います。
しかし、単純に削ればよいというわけでもないようです。
「シンプルさ」とは単なる軽量化ではない
UI/UXにおける「シンプルさ」についての主張を引用します。
ミニマリズムは表面上だけのもので、シンプルさはエクスペリエンス全体の理解から来るものです。
https://uxmilk.jp/1501#js-heading0
ユーザは、どのような状況にいるかによって、異なるレベルのコミットメント、トレーニング、信頼感、要求を持っている。システム要件はこうしたユーザニーズにマッチしたものであるべきだ。
http://uxpamagazine.org/simplicity-not-so-simple/?lang=ja
つまり「シンプルさ」とは、表面的な軽量化だけでなく目的の明瞭さのことであり、相手により適切な情報量・質が存在するイメージでしょうか。
「複雑さ」を知り、「シンプルさ」を深める
「複雑さ」について、大辞林では下記のように解説されています。
物の構造や物事の関係がこみ入っていること。いろいろな要素がからみ合ってわかりにくいこと。また、そのさま。
「複雑さ」は抽象的で、「シンプルさ」との境界線は、人により異なるイメージですよね。
複雑になってしまう原因は、どのようなものがあるでしょう。
次のようなケースを挙げてみました。
- 自分の中で考えが整理しきれていない
- 相手に伝わらないかもしれないと不安
- 単に時間がない
「複雑さ」の裏を返せば「シンプルさ」に向かうはず
上の複雑さの原因を裏返すと、次のようになるでしょうか。
- 自分の考えを整理する
- 相手を意識した情報質と量に絞る
- しっかりと時間をかける
「シンプルさ」を深めるために、 これらの考え方をもう少し掘り下げてみます。
自分の考えを整理する ~「シンプルさ」を深めるために
物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならない
スティーブ・ジョブズ
伝えたいことについて、考え抜くことが重要だという主張です。例えば、ピラミッドストラクチャーはそのためのツールです。
「シンプルさ」の前提は、結論を明確にし、それを説明するロジカルな構造を作っておくことだと思います。
相手 を意識した情報質と量に絞る ~「シンプルさ」を深めるために
オッカムの剃刀
「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする指針です。例えば次のように、文脈に必要のない冗長性を排除します。それだけで意味が伝わるのであれば、問題なしとします。
外から力がかからない物体は、神が等速でまっすぐに動かし続けている。
↓
外から力がかからない物体は、等速で直進する。
相手の知識レベルや文脈も加味する必要があります。相手のリアクションを想像しながら、削りすぎないように注意します。
しっかりと時間をかける ~「シンプルさ」を深めるために
次の一文は、数学者パスカルが友人への手紙の末尾につづったものです。
今日は時間がなかった為に、このように長い手紙になってしまったことをお許しください
これは、「手紙の内容をシンプル化するための時間を取れなかった」という意味です。つまり、偉大な数学者でさえも、しっかりと時間をかけなければシンプルに仕上げることはできない、ということなのです。
ざっと作ったものでは、相手はなかなか理解できません。「相手にストレスなく理解してもらう」マインドセットを持つことが重要であるということです。
まとめ
「シンプルさ」の構造を可視化してみました。
今回は、「シンプルさ」についての様々な考え方をまとめてみました。
考え方も、普段の仕事も、シンプルに仕上げていきましょー。