みなさんは、文章を書くのは得意ですか?
正直、僕はあまり得意ではありません。
(でも、ブログを書いているのは、文章を書く訓練をするという目的もあります。)
「最初の一行を、なかなか書き出せない。。」
「うまく書こうとすると時間がかかる。。」
「そもそも何を書けばよいか分からない。。」
そんな風に感じている方にはぜひ読んでもらいたい本…
それが、上阪徹さんの「超・スピード文章術」です。
なぜ文章を書くことが遅くなってしまうのか、そしてどういった解消策があるのかをわかりやすく説明してくれてます。
「10倍速く書ける」
これは、この本の表紙に書いてある言葉です。
本書を読み実践することで、自分も「10倍速く書ける」ようになれる予感がする一冊でした!
この本から得られるもの
この本からは、文章を速く書くための、いくつかのヒントを得ることができます。
本書は、次のような章で構成されます。
- なぜ文章を書くのに時間がかかってしまうのか?
- 10倍速く書ける「素材文章術」
- 正しい素材を集める2つのルール
- 素材をひたする集める
- 素材を読みやすい順番に組立てる
- 一気に書き上げる
- 読みやすく整える
本書の中で、著者は次のように述べています。
文章は素材を用意できたらほぼ完成
p58
書く前に、書く内容が準備されている状態になっていることが重要であることが述べられており、超スピード文章術の本質的な部分となります。
著者のプロフィール
著者は、上阪徹さんです。
ブックライター。上阪徹事務所代表。「上阪徹のブックライター塾」塾長。担当した書籍は100冊超。携わった書籍の累計売上は200万部を超える。23年1度も〆切に遅れることなく、「1か月15万字」「5日で1冊」書き続ける超執筆ライター。
著者紹介ページより
とにかく読みやすい本です。
本の中で、著者の一見難しいテーマの実例記事なども取り上げてくれているのですが、苦痛なくスッと入ってくる印象です。
そういった読みやすさと、本書のテーマである「超スピード文章術」とは、実は密接につながっていることを、本書を読むことで感じることができました。
この本の概要
本書では、速く書くための5つのステップが紹介されています。

書くスピードが落ちる一番の原因は、考えながら書くことである述べられています。書きはじめる段階で、書くための「素材」がどれだけ揃っているかが、書くスピードを上げるためのポイントとなります。
では「素材」とは何か?
本書では、つぎの3つの要素であると紹介されています。

素材は、「具体的な事実」です。うまい「表現」にする必要はありません。
「どう書くか?」ではなく「何を書くか?」に集中します。
そして、素材を集める上で、事前に「書く目的と読者」をしっかり設定しておくことも重要です。
それにより、本当に必要な素材かどうかを判断でき、アンテナが立つようになります。
どんな文章も、結局は1文1文は素材で構成されています。
素材は、早めに、たくさん集めて、あとで削るのが良いそうです。文章を書いている途中に、素材が足りなくて探しにいくとなると、さらにスピードがダウンしてしまいます。
書きながら途中で何度も止まっていたら一気通貫に読める文書にならない
p155
書き始めたら、トップスピードで書ききってしまうことが重要であると述べられています。
この本から実践すること:書き始める前にしっかり「素材」を集める
本書が推奨するように、思いついたら「その場で、すぐに」書き留めておくことを日常のルーチンワークにしたいと思います。
書くための「素材を集める」と聞くと、当たり前のことに聞こえるかもしれません。しかし、僕の場合は、体系的にやり方を理解していたわけではありませんし、意識的に出来ていたわけではありません。
本書を読んで、今後は、体系的・意識的に実践していきたいと思いました。
素材の集め方
効率よく素材を集める方法としては、次のようなものが紹介されています。

とくに気になったのは、「一人ブレスト」です。
著者は、他人に自分のアイデアを話しフィードバックをもらう中で、ふと新たなアイデア(素材)が出てくることがあるそうです。
そのような状況を、次のように分析されています。
他人とのコミュニケーションでアイデアが浮かぶということはつまり、相手の思いがけない「言葉」に刺激を受けて、 脳からアイデアや情報が引っ張りだされてくるということだと思うのです。
p120より
それならば、自分自身で思いがけない言葉を出せれば、同じような状況を作れるのではないか?と考えたわけです。
連想ゲームのように一人でどんどん言葉を出していくことで、「素材」から「新たな素材」を生み出すことができるということですね。
「見たもの」や「自分の感覚」も素材になる
著者は、「見たもの」や「自分の感覚」など、自分が体験したことは、説得力が生まれると言います。
日頃、これらを意識的にメモしておくことで、そのまま「素材」となります。
ちなみに、「見たもの」をそのままメモをするということは、今まで意識できていないことも多かったです。
著者によれば、聞いたことだけではなく、見たものを文章に盛り込むことで臨場感を高められるということです。
たとえば、人にインタビューするときは、その人の返答や話すことに集中してしまうことが多いですが、そのときの部屋の内装や置いてあるものなどをメモするようにします。
形容詞は「素材」へ置き換える
著者は、できるだけ形容詞を使わないことを常に意識しているとのことです。形容詞を使おうとすると、伝わりにくいだけでなく、「思い浮かばない」ときがあると述べられています。
文章を書くのが嫌になる理由の一つに「表現」しようとしてしまうことを挙げています。
なにか気の利いた言葉を見つけることができないいか。上手く表現する形容詞を生み出そう、思い出そう、そんなことを考えることが、書くスピードを下げてしまうということです。
これは、書くことだけでなく、話すときも一緒かもしれませんね。
僕は、うまく喋ろうと思うだけで、言葉が詰まったりてしまうことがよくあります。。
また、著者は次のように言います。
「形容詞を使わない」と決めた瞬間、必然的に素材に意識が向く
p185
要は、時間をかけて上手い表現をするよりも、素材を集めることに注力する方が良いということです。
これは、本書の中でも、深く刺さった言葉の一つです。
仕事の結果をレポーティングする際など、調査が行き届いていない部分について、「抽象的な(自分的には上手い)表現で逃げてしまっている瞬間ってあるなぁ」と思い出されました。
たとえば、「過去に類をみないくらいの好成績が想定されます。」などと言わずに、「過去5年の平均売上と比較し、110%増が想定されます。」と言える方が、具体的なイメージを持てますよね。
まとめ
この本から、「10倍速く書く」ためには、書く前に、書く内容(素材)が準備されている状態になっていることが重要であることが分かりました。
これは、プロの小説家や新聞記者も一緒で、事前に素材を集めておかなければ速く書けないということです。
なかなか書くスピードが上げられないと感じるときは、きっと素材が集まりきってないときです。
今後は書く前に、素材を集めにしっかりと時間を書けて、一気に書き上げることを繰り返し実践していきたいと思います。
この本が気になった方は、ぜひ下のリンクから購入して読んでみてくださいね。